アランドラ
あらすじ
トレアの都を首都とするソレディア王国が5年前に突然偶像崇拝を禁止して以来、人々は物を創り出す創造力を失ってしまった。
信仰を力の源とする神の怒りに触れたのである。世界は荒んだ。しかし、神は人間を見捨てはしなかった。
人々は、神より授かった「夢に干渉する力」を使い、自分の望む夢を見ることができるようになった。
しかしそのせいで、自分の精神が創り出した悪夢や夢魔に憑りつかれ苦しむ人々も現れはじめる…。
そんな中、主人公、アランドラは夢の声に導かれ、イノアの村へと旅立った…。
知っている人は知っている、名作鬱ゲーアランドラ。話も音楽もグラフィックも大好きです。 音楽はサクラ大戦の田中公平さんなのです。
注意事項: ①既プレイ ②攻略本所持
配信ログ
クリア感想
終わってしまいました。今日、日付が変わる頃に。
アーカイブを見ると、大体2009年2月26日頃に始めたようですね(多分25日だけど)
全部見てないと分かりにくいアランドラの世界観。若干私の想像も含みながらじっくりじっくり説明しながらラストバトルに挑みましたが、その場に居た方には理解して貰えたようで、凄い嬉しかったです。
次から次へと、それはもう登場人物の大半がぼろっぼろ死んでいくような鬱ゲーですが、お話が凄く緻密に作られて、神と人間と信仰心という、日本人にはあまりなじみのない題材であるにも関わらず何か考えさせられるものがあったのではないでしょうか。
何度も何度もアクションに苦しめられ、何度も何度もシナリオの残酷さと人間の無力さに泣きましたが、配信でこのゲームがクリアできて本当に良かったです。
少しでもお付き合い下さった方々、本当にありがとうございました。
主な登場人物
外から来た住民
アランドラ |
夢に導かれて村へやって来た主人公。どうやらまどろみの一族*の一人らしいことが分かった。 世界の命運を託されたらしい。 |
メディアム |
アランドラと同じまどろみの一族*の女の子。 アランドラに遅れて、イノアの村へやってきた。色々知ってそう。 |
セクタス | 夢を研究する若者。自身をターラス(夢研究の第一人者)の後継者であると信じている。 |
*まどろみの一族…他人の夢へ入る力を有するものたちを総称した言い方。エルナとも言う。血族で構成されているわけではない。
街の住民
○…生 ×…死
✕ | アンゼス | 海岸に打ち上げられたアランドラを保護したことから、アランドラの父親的存在となる。 妻と子供を亡くしている。 |
✕ | シヴィル | 目覚めていながら夢を見る、不思議な少女。その夢は予知夢であり、アランドラにその内容を教えてくれる。 |
✕ | ロエイン | 聖職者。あまりに狂信的な彼は追放に近い形で村に送り出された。 |
✕ | ゴウセル | ロエインに従う男。妹のキーシャと暮らす。 |
◯ | ルータス | とても気の良い村人。奥さんはフェイン。彼の死が聖剣エルナートを作る、という予知夢をシヴィルが見る。 |
◯ | ビイゼン | 村長(ゾンビ顔)。熱心な信者ではないが、心のよりどころとしての神の存在は不可欠と考える。 |
✕ | ハヴァン | 南の海の小屋に住む偏屈じいさん。何か知ってそう。 |
✕ | クライン | イノアの村の狩人。必要以上に生物を傷つけることを嫌う、村の用心棒的存在。 |
✕ | エリーン | 毎日のように暴力を振るう父親、ウストウと暮らす。4つの人格があったが、悪夢の消滅と同時に統合した。 |
◯ | ベグラス・ネクタス | 双子の兄弟 |
✕ | ワインズ | ベグラス・ネクタス兄弟のいじいちゃん。 |
◯ | ユステル | 水晶占いを生業とする村の長老的存在。 |
◯ | ケイトス | 墓守の老人。何か知ってそう。 |
✕ | ボージス | 妄想の中の恋人、サーティと愛を語り合っていた。 |
✕ | ナーシア | ボージスに思いをよせる女性。ボージス事件のとばっちりで死亡。 |
✕ | オーレン | 炭鉱で働く鉱夫の一人。キーシャと恋人だった。 |
✕ | ルイック | 炭鉱で働く鉱夫の一人。 |
✕ | ヌインダ | 炭鉱で働く鉱夫の一人。 |
✕ | ズーリム | 炭鉱で働く鉱夫の一人。 |
守護者
- 賢者ラア
- アランドラを解放者として導く賢者。守護者の一人。鳩血のルビーの紋章をくれた。
- 占星術師ヴル
- 海岸沿いの洞窟の奥に居る。人間から守護者として選ばれたらしい。ムルータに紋章を奪われた使えない奴。
- 錬金術師ジル
- 沼の洞窟の奥に居り、リザードマンに王として仕えられている。青碧のラピスの紋章をくれた。
- 女王ンヴ
- お袋の奥地に居た。ムルータに紋章を奪われた使えない奴その2
- 巨神ニルード
- ミミング達が崇めている、メルザスが神になる前の古い神様。黄玉のトパーズの紋章をくれた
- 火竜ウィルダ
- ニルード以前の古い神。トーラ山の奥地におり、深緑のオリビンの紋章をくれた。
- ハヴァン
- イノアの村よりはるか南方に位置する離れ小島におり、精神体となってアランドラに白銀のダイヤの紋章をくれた。
人間以外の他種族
- ムルータ
- 白猿とも呼ばれる。現在メルザスの臣下となっている様だ。知能は総じて低かったはずだがメルザスの力により知恵と力を付ける
- リザードマン
- 守護者である錬金術師ジルを王として崇めており、メルザスとは敵対する形となっているが、そのために何をしてくれるのかは謎。
- ミミング
- メルザス以前の神であった巨神ニルードを未だ神と崇める、聡明で勇猛な種族。対メルザスのため、ムルータと戦う心積もりらしい。
- 長寿族
- ハヴァン・ケイトス。
お話の内容まとめ
ゲーム開始前のお話の全貌を時系列に沿って
神々の変遷 <火竜ウィルダ→ガゼック→巨神ニルード>
- はるか古代では、火竜ウィルダが神として崇められていたが、あまりの凶暴さ故に人々の信仰を失いつつあった。
- そして、ウィルダを牽制するために作られていた巨大な7体の巨人像、ガゼックを人々は崇めるようになる。
- 人々のガゼックへの祈りがガゼックを神へと変え、ガゼックは生を得た。(神でなくなったウィルダはトーラ山にて永き眠りに就く)
- しかし心を持ったガゼックは同時に欲望をも備えてしまい、7体の内の誰が真の王であるかを決するために殺し合いを始めてしまう。
- その結果、唯一生き延びたのが争いを避けてひっそりと暮らしていた巨神ニルードであった。
- 図らずもニルードが真の神の座についたが、人々が恐れ崇めていたのは強大な力を有した7体のガゼックである。
- おおらかなニルードは人々から恐れ崇められなくなり、ミミングからは依然神と仰がれてはいるものの、次第にその力を弱体化させていった。
国王の苦悩とメルザスの台頭
- 敬虔な神の信徒であった現ソレイディア国王は、民の心がニルードから離れていくさまを苦々しく思った。人の拠り所としての神を重要視していたのだ。
- そのため、イノアの村近くに隕石と共に飛来して来た生き物=メルザスを処分したという偽りの記録を残し、メルザスを新たな神として祭り上げることとした。
- 新たな神を欲していたためと、メルザスの甘い夢に魅了されてしまった事が原因だろう。村の北方にはメルザスを祭る神殿も建設されている。
- メルザスの正体に疑問を抱いたメディアムの母が処刑されたのは、メルザスが異界より飛来した生命体であることを人々に悟られまいとする国王の意志だったのだろう。
- そして、神としての絶対的な地位を手に入れたメルザスは、人間を支配する事に味を占め、夢を通じて現実世界へと干渉しはじめた。
- メルザスは、人々に甘い夢を与えた見返りとして人々から祈りを受け、その信仰の力をの源に世界を我が物にしようとする、悪魔となったのだ。
メルザスへの恐れと封印
- しかし5年前、突然国王は偶像崇拝の禁止を命じた。王は、メルザスの所持する強大な力に恐れを感じたのである。
- そして、メルザスを神殿と共に沈め、7つの紋章によって封印し、その紋章をハヴァンに託した。
- 紋章を受け取ったハヴァンは、古の神や賢者6人にそれぞれ紋章を渡し守護者となるよう呼びかけ、自らもまた紋章の最後の守護者となった。
- 封印と、偶像崇拝の禁止で祈りの対象が不明確になったことにより、信仰を源とするメルザスの力は急速に弱まっていった。
そして戦いへ
- そしてメルザスは恐れた。今、他の者が神になるようなことがあれば、火竜ウィルダや巨神ニルードのようにその存在を消されてしまう。
- メルザスは人々が自分以外の神を作らぬよう、物を創造する力を奪った。
- しかし、その副作用から人々は夢を操れるようになってしまった。現実にも影響を及ぼすことができるこの力は、創造力よりも遥かに脅威である。
- メルザスは、知らずのうちに自らを凌駕しようとする人に怯え、人間を滅ぼす決意をし、配下にムルータを選んだ。
- 配下に知恵の至らないムルータを選んだのは、ムルータ程度の生き物ならば反乱の危険はないと考えての事だろう。
- 現在、メルザスはムルータを自らの信仰の対象とすることで復活しつつあり、ムルータもまた、メルザスの力により知恵を付け始めている。復活の時は近い。
- メルザスのたくらみに気付いた守護者ラアは、エルナの力を持つアランドラにその希望を見出し、夢によってアランドラをイノアの村へと導いた。
- 7つの紋章をムルータ共より先に揃え神殿の封印を解き、未だ万全でないメルザスを打ち滅ぼすのだ。
- アランドラとメルザス、神と人類の存亡をかけた戦いの火蓋が今、切って落とされた…!
ゲーム開始後からのお話の流れ概略
ターラスの館~ワインズの夢
- 主人公のアランドラは不思議な夢を見るようになった。「イノアの村の北方に眠る悪魔が目覚めようとしており、世界を救えるのはお前だけだ」
- アランドラはその不思議な声に導かれ、イノアの村への船に乗り込むが、途中嵐に合い、転覆。
- 海岸に流れ着いたアランドラを、イノアの村で武器屋を営んでいたアンデスが助けてくれた。彼は妻子を亡くしているらしい。
- アンゼスに促され気分転換に村を探索していると、村人ワインズが悪夢で病床に付しているのに出会い、そこで自分がまどろみの一族であることを知る。
- まどろみ族のエルナの力についてを知るため、夢を研究していたターラス(故)の館に向かうと、メルザスと名乗る何者かが出現し、宣戦布告を受ける。夢と関係あるのだろうか。
- ターラスの館で見つけたエルナの書を持ち帰り読むと、エルナの力の使い方が記されており、ワインズの救出に成功した。
- その後、神父ロエインに呼び出され教会で神に祈りをささげると、アランドラは無事イノアの村人として認められた。
オーレンの悪夢~イノアの炭坑
- 村近くの炭鉱が突然崩れ落ちる事故が発生した。事故死した人々の魂の訴えにより、物を創り出すことのできないはずのアンゼスが炸裂弾を作り上げる。
- 炸裂弾を手にアランドラが炭鉱へ入り調べると、知能が低く洞窟を掘ることが出来ないはずのムルータの群れとの接触で起こった事故であるらしいことが判明。一体、どういうことなのだろうか。
- さらに、ムルータの群れを統べているのはメルザスであるらしい事も判明する。メルザスとは何者なのか。
賢者ラアの地下墓所
- 事故死した坑員たちの墓参りに赴くと、墓所右奥の地下への入り口よりアランドラを呼ぶ声が聞こえる。
- 声に導かれ、地下奥深くへ向かうと、アランドラを解放者としてイノアの村へと導いた賢者ラアが居た。
- ラアは、メルザスは世界を我が物にしようとする悪魔であり、現在は北方の湖に7つの紋章によって封印されていること、そしてその7つの紋章は7人の賢者が所持していることを告げる。
- アランドラの使命は、メルザスの配下(ムルータ)より先に紋章を集め、メルザスの復活を阻止することであるらしい。
- ラアから鳩血のルビーの紋章を受け取るが、これからどうしたら良いんだ…。
ボージスの夢~いにしえの神殿(アイテムシナリオ)
- 村人ボージスが夢から覚めなくなってしまった。ボージスは自らの作り出した甘い夢に魅了され、取り込まれようとしているらしい。
- アランドラが夢に入り根源を潰すと、ボージスは生きながらえたが、巻き添えを食らって村人ナーシアが死亡してしまう。
- ナーシアの無念に応え、アンゼスがチェインスローを作り上げた。
- 村の東方の砂漠への通路を塞いでいた流木が嵐で消え、通行可能に。そこにはいにしえの神殿が存在するらしい。
- 風にしたがって進むと、神殿が現れる。与えられた試練をクリアすると、スチルエッジが手に入った。
海岸線の洞窟
- 久しぶりに潮が引き、海岸線を通行できるようになった。そこには賢者を祭ったといわれる祠があるらしい。
- 祠の奥へ進むと、守護者ヴルを発見。しかし彼の紋章は既にムルータに奪われた後だった。使えない。
- 守護者様のありがたいお言葉を聞き、祠を後にする。
- 村に帰ると、同じエルナの力を持つメディアムという女の子が村をやってきていた。村人モラアスを悪夢より救ったらしい。
- 彼女は「悪夢」の大本である、夢そのものについてを否定する。メルザスについて何か知っているようだ。
クラインの悪夢
- 村の用心棒である、気の良いクラインが突然アランドラの命を狙ってきた。なにやら操られているようだ。
- クラインが悪夢に落ちている間にエルナの力で夢へと潜入。根源を潰そうとした瞬間、クラインの悪夢が暴走し、クラインは命を落とす。
- アンゼスは、クラインの無念に応え、ハンターボウを創造した。
リザードマンの洞窟
- アンゼスより情報を得、村に南東にある沼地へ赴く。ここはリザードマンという化け物の棲家で村人は立ち寄ることができない。
- リザードマンの棲家である洞窟奥深くへたどり着くと、そこには守護者ジルが居た。
- 知能の高いリザードマンは、守護者ジルを王として祭っているらしい。守護者ジルにより、青碧のラピスの紋章を受け取る。
ゴウセルの夢~お袋
- ゴウセルが悪夢に倒れた。神父ロエインが姿を消したり、メディアムがゴウセルの悪夢は罠であると言ったりきな臭い。
- しかしアランドラは夢へ入りゴウセルの命を救う。だがゴウセルはあまり嬉しくなさそうである。
- お袋(神社のようなもの)へ祈りに行ってる人々へ、ゴウセルの生存の報告を求められ赴くと内部に侵入できるようになっていた。
- 奥に進むと、守護者ンヴが潜んでいた。しかし紋章はムルータに奪われてしまっていたので、ありがたいお言葉だけ聞いて帰る。
- 村に帰ると、シヴィルが不吉な予知夢を見ていた。村人ルータスの死で聖剣エルナートが創造され、アランドラとメルザスが対峙する夢である。
教会
- メディアムが「教会は神でなく悪魔を祭っている」と言っているとセクタスが聞き、二人で潜入する。
- 教会の地下へたどり着くと、そこには神の偶像が配されていた。しかし偶像崇拝は禁じられているはずであるし、何よりその造形はメルザスである。
- ロエインは、人々の心が神(メルザス)から離れた事に神が怒り、悪夢を見せているという。曰く、悪夢の原因は人であり、もっと神を崇めるべきであると。
- ロエインを止めることが出来ず、すごすごと帰った翌日、アンゼスがパワーグローブを創造した。
- そして、シヴィルが首の骨を折られ殺されているのが発見される。悪夢が原因ではなく、明らかに人の手による他殺である。
- その前夜、メディアムは遅くまで起きていたらしく、またゴウセルの徘徊が目撃されている。
メディアムの夢
- メディアムが何を知っているのか、敵か味方か区別できず、メディアムの夢へと入り、過去を探る。
- どうやらメディアムの父は事故ならざる事故で死、神の正体を探ろうとしていた母は国家より火あぶりの刑に処されたらしい。
- 何とか逃げ延びたメディアムは、旅する間に自らのエルナの力と神の正体に気付き、両親の無念を晴らすため、メルザスを打ち倒そうとしているようだ。
地下水路~巨神ニルード
- 水車小屋横の洞窟の封印が、ミミング族によって破壊された。これは一体どういうことなのだろうか。そしてミミングは誰の配下にいるのだろうか。
- 同時にハヴァンに呼び出しを受け、話を聞きに行くと、メルザスが神となる以前に神の座に居た巨神、ニルードに会いに行くよう言われる。
- 対ムルータ用に改造された地下水路を抜けニルードの元へ辿り着くと、ニルードはアランドラを解放者として認め、黄玉の紋章を託してくれた。
- しかし、突如現れたメルザス配下の悪魔:ゾルジアによって、ニルードは殺されてしまう。
- 新たな紋章を手にアランドラがイノアの村へ帰還すると、ルータスとロエインについての奇妙な話を入手する。
- ロエインはルータスの危機にことごとく現れては、命を救っているらしい。
- 恐らく、「ルータスの命と引き換えに聖剣エルナートを得る」というシヴィルの予知夢を実現させないための行動なのだろう。
- そしてメディアムは、村に到着した際アランドラがメルザス像に祈ってしまったことによりその予知夢がメルザス側に伝わってしまったと推測。
- メルザスの力を少しでも弱めるため、教会地下にあるメルザス神像を破壊しようと乗り込むが、像の安置は村全体の意思であるとして神父に阻止される。
- 神父の言動から、聖剣の創造を恐れる神父がシヴィルを殺した犯人であると推測。メディアムはまた、アランドラに近しい者が命を狙われるのではないかと危惧する。
- そして翌日、教会墓所でアンゼスの遺体が発見された…。
- アンゼスが固く握り締めていたという鍵を受け取り工房横の宝箱を開けると、中から鎧とアンゼスからの手紙が出てきた。
アンゼスの手紙
君が、これを読んでいるということは、わしはもう生きていないのだろう。
君だけに危険なことはさせられないと思い、わしは夜中に墓地でロエインと会うことにした。
わしも君と同じように彼が人間の道を踏み外しているのではないか、と思っている。それを、確かめてみるつもりだ。
正直に言ってしまうと、今、とてもおそろしいんだ。この手紙を、丸めてどこかに捨ててしまいたい。
そして、あたたかなベッドに潜り込んで、寝てしまいたい。そうすれば、いつもと変わらぬ朝を迎えることができるだろう。
だが、それはできない。
わしは、君のことを本当の息子のように思っているのだ。父親であるわしが、そんなに臆病では、情けない。
だから勇気をふりしぼってロエインと戦おうと思う。
妻だけでなく、生まれたばかりの息子にまで死なれてしまい、生きる希望を失っていたこのわしに、君は、笑顔を運んできてくれた。
短い間だったが、とても楽しかったよ。
ありがとうアランドラ。本当に、ありがとう。
父より
炎の館・氷の館・妖精の住まう池(アイテムシナリオ)
- 館は、炎の杖と氷の杖が安置されている。杖を作った魔術師が杖を祭るために作った館らしい。それだけの館。
- 水の女王スティーナの守る池には、デモンバスターという、強力な剣がアランドラのために安置されていた。
エリーンの夢
- アンゼスの葬式が終了すると、今度はエリーンが悪夢に倒れてしまった!
- エリーンは、母が坑員と駆け落ちして以来、毎日のように暴力を振るう父と二人で生活をしており、その悲しい現実ゆえに4つもの人格を有している。そのため、悪夢も複雑に絡み合っていたのだが、メディアムと協力して悪夢を倒すことにより、無事にその命は守られ、またその人格も1つに統合させることに成功した!
- そして夜中。またしても急に悪夢にうなされるゴウセル。しかしこれはメルザスが、夢に入ったアランドラを、ムルータに襲撃させ亡き者にしようと企てた罠。
- 村に侵入していたムルータの群れを退治し終え、ゴウセルを救おうとしたが、ゴウセルの夢が暴走を始めてしまう。そして、妹のキーシャの必死の呼びかけにより正気を取り戻し、自らの最後の力で夢を退け、人間としての死を迎えた。
迷いの森~大樹の塔
- 村を襲ったムルータは、ムルータの住む大樹の塔へと入るための大樹の珠を持っていた。
- メルザスを倒すためにはいずれムルータと対峙する必要があり、ムルータによって奪われた真紅の紋章と褐色の紋章も取り戻さねばならない。
- 今がこの時か。大樹の珠を持ち、塔への進入を決行する。
- 迷いの森を抜け、ムルータの本拠地である大樹の塔の奥地へと入り込むと、王座にてムルータの王、ザザンがアランドラを待ち構えていた。
- 幾ら知恵と力をつけたところで所詮はただの白い猿。アランドラはザザンを撃破し、無事に奪われた2つの紋章も取り戻した。残るはあと2つ。
トーラ山
- 村へと帰り着くと、古の神・火竜ウィルダが眠る休火山、トーラが噴火を始めた。
- 今まで沈黙を守ってきた火山は何故今、噴火を始めたのか。アランドラは単身、マグマ煮えたぎるトーラ山へと足を進め、調査を開始する。
- トーラ山の奥深くには、怒れる火の神、ウィルダが待ち受けていた。
- 火竜ウィルダは、メルザス・ニルード以前のこの地の神でもある。
- アランドラの強大な力を見たウィルダは、6つ目の紋章である深緑の紋章をアランドラに託してくれる。残るはあと1つだ!
ネスタスの夢
- アランドラがトーラ山より帰還すると、なんと双子の片割れ、ベグラスがムルータに攫われたという。一体、何をたくらんでいるのだ…!
- セクタスの調べによると、双子は夢の中でもつながりを持つらしい。ネスタスの夢に入り、ベグラスの夢へと抜け出して具現化すれば、大樹の塔に連れて行かれたベグラスの元へいけるだろう。
- 夢を抜けてアランドラがベグラスの元へ辿り着くと、そこは大樹の塔近くの小屋であった。
- 特に何のトラブルもなく、二人で小屋を脱出しイノアの村へ帰り着く。この事件は一体何が目的だったのだろうか。
村の決断
- 村へ戻った二人が見たものは…ムルータの襲撃によって火の海と化した村の姿であった。
- そしてそこには、ワインズ、ボージス、モラアス、シーラ、エリーン……多数の亡骸が横たわっていた…。
- 生き残った村人たちは、被害の少ない村長の家に集まっていた。どうやらムルータ共は、アランドラとは逆にべグラスの夢からネスタスの夢へ抜けてきたらしい。
- いくらムルータが知恵を付けたとはいえ、単独でそんなことを思いつくわけがない。これは間違いなく、メルザスの入れ知恵である。
- とにかく、村人たちは、これからの事について話し合わなければならない。神について、である。
- 村人たちも、そろそろ悪夢の真の原因を理解してきていた。神を裏切るのかと問うロエインに、村人たちは一斉に反発する。
- 「いるのは、神ではない、悪魔だ!」「偶像崇拝の禁止に怒り、創造力を奪うだなんて」
- しかし、ロエインは言う。その代わりに、我々は夢を操る力を授かったではないか!
- その時、メディアムはすべてを理解した。メルザスは、偶像崇拝の禁止に怒って創造力を奪ったわけではない。
- 偶像崇拝を禁じられたことで、人々の祈りの対象は不明確となり、メルザスの力は弱まった。
- そんな時に、もしも人間がメルザス以外の誰かを神として崇めるようになったら…
- おそらく、メルザスはそれを恐れて、人々の創造力を奪ったのだ。しかし、その反動で人々は夢を操れるようになってしまった。
- 夢を操り、現実にもその影響を及ぼすことができるほどの力は、物を造り出す力よりも遥かに大きな事ができるはずだ。
- すると、今度はメルザスはそれを恐れた。メルザスは自らをないがしろにした人間に怒ったのではない。メルザスは、自分の力を超えつつある人間を滅ぼすしかなかったのだ!
- 「つまり、我々が力を合わせて夢を操れば、メルザスと戦うこともできるわけですね。」セクタスが言う。
- 全てが明るみに出た今、とにかく決めるべきことは、それでもメルザスに祈りを捧げ、奴に神の座を与え続けるのか。あるいは、死を覚悟で夢を操り、メルザスと戦うのか。
- つまり、メルザスを神とするか、悪魔とするか、である。
- 村長は、残った村人達に考えをまとめる時間を与えた。明日の昼。その時に、村の意思を決定する。しかし村人の意思は既に決まっている。ただ一人を除いて…
- 「…呪ってやる。お前を一生、呪ってやる。」アランドラに向けてそう言い、ロエインはその場を去った。
- 翌日、ロエインの言動に不安を感じたアランドラは単身、教会に乗り込んだ。
- すると、ロエインは神への狂信的な祈りの力を持って、魔物と化し、アランドラに襲い掛かった。
- ロエインは、人が神を見放し、ムルータを配下とすることが耐えられなかったのだ。
- アランドラはロエインを打ち倒したが、ロエインもまた、神に操られた哀れな男の一人だったのだろう。
- そして、生き残った村人たちは全員で頑丈な教会の地下にこもった。ここなら、ムルータもうそう簡単には入って来られないだろう。
- そして、村人たちはある決意をする。メルザスに打ち勝つアランドラの夢を見ることで、メルザスと直接戦うアランドラを支援するのだ!
- そしてその前に、最終決戦へと立つアランドラのために、村人たちは手を取り合って同じ夢を見た。村人達の夢は現実のものとなり、アランドラの手の中で強く輝く。
- 彼の手には、村人達の想いより創造された「聖剣エルナート」が握られていた。
- アランドラを信じ教会で待つ村人達に見送られ、アランドラは残る紋章を探すこととなる。
孤島への地下通路
- 教会を出ると、墓守のケイトスが話しかけてきた。どうやら、最後の紋章はなんとハヴァンが有しているらしい。
- ハヴァンとケイトスは長寿族の一人であり、それぞれ、国家より紋章の守護者とその補佐を任されていたらしい。
- ハヴァンに会う為、彼の住む小屋を訪れるが誰もいない。代わりに、地下へと続く階段がその姿をぽっかり現していた。
- ハヴァンはその先に居るのか?アランドラはその先に進む。
- 地下通路を抜けると、南方の離れ小島へと繋がっており、そこには小屋が一つ建っていた。
- 中に入ると、そこにはハヴァンが瀕死の重傷を負って倒れている。ニルードを殺したゾルジアが先回りしていたのだ!
- 何とかゾルジアを打ち滅ぼしたが、ハヴァンは息を引き取った。しかし、ハヴァンは賢者ラア同様に精神体となってアランドラを導く。
- 「メルザスのことを教えてやろう。奴は、隕石とともに空からやってきた化け物なのだ。
- 一度は王によって捕らえられたのだが、奴に甘い夢を見せられた王は、奴を処刑できなくなった。
- 奴には神の座が与えられ、数多くの絵画や像が作られた。だが、奴は人間を支配する事に味を占め、夢を通じて現実世界へと干渉しはじめた。
- 王は世界の破滅を予感し、奴の絵画や像をすべて破棄させたのだ。
- 今、奴は自分の信者としてムルータを選んだ。ムルータ程度の生き物なら、反乱の危険はないと考えての事だろう。」
- そして、ハヴァンはアランドラに白銀のダイアの紋章を託した。
- これで7つ、すべての紋章が集まった。後は、イノアの村北方にある石版の台座にそれぞれ対応した紋章をはめ込めば、神殿の封印は解かれ、湖の上にその姿を現すだろう。
湖の神殿
- 7つの台座に紋章をはめ込むと、湖の底から、かつてメルザスを祭っていたその神殿が姿を現した。
- この神殿は、メルザスのその神秘性を上げるために、簡単に奥へ辿り着けないよう、複雑で迷路のような造りになっている。
- この神殿を抜ければ長かった冒険は終わり、いよいよ最終決戦である。
- 神殿内部の玉座へ通じる扉の封印を解き、アランドラはメルザスの元へと歩み出る。
- 「貴様…そうまでして、このメルザスに歯向かうか。よかろう…後悔させてやる。出でよ、わが忠実なる下僕よ!」
- メルザスは、ブラックドラゴンを呼び出し、アランドラを阻む。しかし、激しく迫り来る攻撃に耐え、とうとうブラックドラゴンを打ち倒した!
- その時、村人達は教会で、確かにアランドラが懸命に戦う声を聞いた!
- 「…通じたんだわ!私たちの、祈りにも似た夢が、あの人の心に通じたのよ!」
- 「兄ちゃんは強いんだ!メルザスなんかには負けないよね!」「みんな、あなたを待ってるのよ!」「どうか、みんなの仇を討ってくれ!」
- 村人達の、アランドラへ向ける祈りの力は更に強みを増していった。
- 村長「天国のアンゼスも、きっと君を応援しているはずだ!」
- セクタス「人々のために、身を呈して戦ってきたあなたこそが神なのだと、私は思います。どうか、悪魔を!メルザスを…!」
- メディアム「…後悔しているわ。たとえ駄目だと言われても、あなたについていけばよかったと。お願い、無事に帰ってきて!あなたが帰ってきてくれたら、私…」
- そして、人々の想いがより強大な力となって現れたとき、磨耗していたアランドラの体力、そして魔力が回復した。
- 村人達の想いが、確かにアランドラに届いたのだ。そうだ、自分は一人で戦っているのではない!
- 志半ばで死んでいった者達や、懸命に生き祈りをささげる村人達の想いをその背に、アランドラは神、メルザスを見事打ち滅ぼした!
- メルザスを失ったことで神殿が崩れ、再び湖の底へと沈み始める。賢者ラアに導かれ、アランドラは神殿からの脱出に成功した。
- これで…すべて終わったのだ。
ED
- アランドラがメルザスを滅ぼすところを夢で見たのだろうか、残った村人達が揃ってアランドラを迎えにやってきた。
- 皆で村に戻り、勝利の宴を開くのだ。並々と注がれた酒を煽り、長かった戦いの労をねぎらう。
- 壊滅状態にあった村は、皆で力を合わせて無事復興した。勿論、アランドラも村のために汗を流した。
- そして旅立ちの時。アランドラとメディアムは手に手を取り合い、イノアの村を旅立つ。
- 共に笑い、冒険し、イノアの村を立ってどれほどの時が流れたのだろうか。二人にも、別れの時が来た。
- メディアムはアランドラの頬にそっと口付け、手を振る。たとえ違う道を歩もうと、目指す先はきっと…
- そして、アランドラはメルザスの予言にも似た最期の言葉を思い出す。
- 「くくく…アランドラよ。確かに貴様は神を…このメルザスを打ち倒した。だが、貴様らの望む平和は、それでも訪れぬであろうな。貴様ら人間が、その心に闇を住まわせている限り、血は流され続ける。それこそが、人間の歴史なのだ。心の底から崇める事の出来る、全能の神が現れるまでは……。」
- このまま、この世界は、人は平和であり続けられるのだろうか。
- アランドラの旅は、未だ終わることはない。