BAROQUE歪んだ妄想
前兆はあった。
例えば、恋人に弄ばれたあげく捨てられて自殺した少女の話がある。彼女の遺した日記には、恋人との思い出や、彼女の味わった苦しみが生生しく記されていた。
しかし、その後の調べで、彼女の「恋人」はどこにも存在していなかったことがわかった。少女は架空の恋人との、歪んだ妄想が生み出した思い出に苦しんで自殺したのだ。
それから、少女のように歪んだ妄想を発端とする事件や事故が相次いで起こり始めた。人々はいつしか、歪んだ妄想とそれを抱える人々を「バロック」と呼ぶようになった。
大熱波
誰もがバロックを抱え始めた頃に、それは起きた。
マルクト教団という宗教団体の建造物「神経塔」を中心にして、神の叫びとも言うべき熱波は世界中を駆け巡り、包み込んだ。
その日から全てのものは歪んでしまった。ある人間は理性を失い、異形と呼ばれる存在となり、ある人間は、自身が抱えているバロックに相応しい姿へと歪められた。
プレイメモ
1章
2章
- B12Fに培養液(天導天使の部屋?)があったら感覚球(B12F、B16F)で外界に送る。
- B17Fで創造維持神と融合⇒クリア
3章
- 外界で培養液を首の者に見せる。
- 心臓の種を与えて、1回以上探索した後浄化する⇒首の者の結晶ゲット。
- 研究所で警備天使に首の者の結晶を渡す⇒研究所に入れるようになるので自分の結晶を得る。
- B02Fで結晶をイライザに渡す。
- B12Fで天使銃を天導天使に渡す。
- B22Fのリトル培養室でリトルの結晶をゲット。
- B28Fでアリスにリトルの結晶を渡す⇒クリア
ムービーリスト
No | ムービー | 条件 | 章 |
---|---|---|---|
1 | タイトルデモ 神経塔▲PICNIC | ||
2 | タイトルデモ バロック▲WORDS | ||
3 | タイトルデモ BAROQUE MODE | ||
4 | 意識シミュレート | ||
5 | 意識シミュレート▲END | 1章最下層(B5F)で創造維持神を天使銃で撃つ | 1 |
6 | 意識シミュレート▲END | 1章で死亡 | 1 |
7 | 20320514の心臓▲右 | 2章最下層(B17F)で創造維持神を撃たずに一体化 | 2 |
8 | 20320514の心臓▲左 | 2章最下層(B17F)で創造維持神を撃たずに一体化 | 2 |
9 | リインカーネーションの結晶 | 2章最下層(B17F)、3章最下層(B22F)で創造維持神を天使銃で撃つ | 2, 3 |
10 | 痛みを知らぬ者 | 3章B24Fの最下層で創造維持神を撃たずに一体化 | 3 |
11 | われらの主あらざる多重神格者よ | 4章B31Fの最下層で創造維持神と一体化 | 4 |
12 | エンドクレジット | 4章B31Fの最下層で創造維持神と一体化 | 4 |
主な登場人物
- 主人公
- 記憶を失い、罪の意識だけが残った男。世界を癒すために、さらには自分の罪の癒しを求めて、聖域と呼ばれる神経塔へ向かう。
- 上級天使
- 主人公を神経塔へ向かわせるトリガーとなる者。もっとも大きい偽翼を持ち、マルクトの中でもっとも高い地位を得ていると思われる。
- イライザ
- ロングヘアの少女。奇麗な水を求めているが、それが何なのかは語ろうとしない。
- アリス
- ショートカットの少女。主人公に反撥するが、何か深いところで主人公との交流を求めているような言動を見せる。
- 天導天使
- 中級天使。上級天使と共に計画を遂行していたと思われる。今は、深い罪の念に囚われているようだ。
- 天使虫リトル
- 神経塔内部を飛ぶ天使。神経塔の謎のカギをにぎる存在であると思われる。
- 幻影
- 主人公の目の前に突如あらわれる幻影。主人公と深いつながりがあり、深い記憶に触れる言葉を投げかけてくる。
- 警備天使
- 研究所の門を警備している者。主人公について何か知っているようなのだが?
ゲームデータ
バロックとは
ポルトガル語のBARROCO(ゆがんだ真珠という意味)を語源にもつ言葉。
17世紀から18世紀にかけて、ルネッサンス後のヨーロッパに流行した様式。壮大な構想と細部にわたる過剰な装飾技巧が特色。古典美と対立する、その不調和・過剰さを軽蔑するニュアンスで使われたらしい。だが、大熱波前後の崩壊した世界で使われたこの言葉は違った意味を持っていた。
それは、歪んだ妄想。
崩壊し荒れ果てた世界では、人はより多くの妄想にすがらなければ生きる意志を持つことができなくなっていた。
人々はバロックを抱えて、生き抜いているのだ。
大熱波が起きる以前の世界
奇怪な事件が増加していた。残酷な殺人事件が多発し、発生件数は減ることがなかった。動機や殺害方法が理解しがたいモノばかりで、バロック型犯罪、バロックマーダーなどという言葉が流行した。
異形と呼ばれる者が現れ、人を食い殺す事件も発生した。じょじょに増えて行った異形のため、異形殺戮部隊が正式に結成されたのは、大熱波が起こる年のはじめだった。
偽装翼をつけて、自分たちを天使だと名乗る奇妙な宗教団体も話題になった。彼らは神の技術を手に入れたと宣言したが、それがいったい何だったのかはわからずじまいだった。
大熱波後の世界
大熱波によって、世界は大きな打撃を受けてしまった。だが、生き残っていた人間はあいかわらず、退屈な歪みの中で生きつづけている。大熱波前に流行したマンガや映画も崩壊した世紀末世界を多く描いていたが、実際にはそんな格好いい世界は訪れなかった。
すべてが変わってしまったと言う者もいたが、変わったのはただひとつだと言う者もいた。ただひとつ、バロックが増えただけだ、と。