設定資料（説明書より）

オルフェウス号の遭難

1913年、大西洋上で発生した客船事故。大富豪ロックウェル家の持ち船であったオルフェウス号には一族及びその招待客のみが乗船していた。
行方不明となった原因は結局解明されず、一年後、乗船者の全員の死亡という形で処理された。

客船オルフェウス号

大富豪ロックウェル家当主、ウィリアム・ロックウェルによって建造された一族専用の客船。完全なプライベートシップであり、乗船が許されたのはロックウェルの一族とごく僅かな招待客のみであった。
当時のいわゆる大型客船に比べ、規模の面では遠く及ばないものの、設備や構造面での優秀さは、何ら劣るところはないと言われた。
当時流行であった大西洋横断クラスの航海にも十分耐えうる航海性能をもっており、内装に関してはオーナーであるウィリアムの以降が大きく反映された、豪華な作りになっている。

ロックウェル家

アメリカ有数の資産を持つ大富豪。先祖はヨーロッパ貴族の家柄だったが没落し、19世紀初頭にアメリカへと移住した。
移民であったロックウェル家が今日の財を築いた契機となったのは、財閥の創設者であり、現在も当主として君臨するウィリアムが若かりし頃に発見した大金脈である。
莫大な資金源を手に入れたロックウェル一族は、あらゆる分野の産業に次々と着手、その全てにおいて大成功を納めた。
20世紀に入り、ロックウェル家は財閥としての確固たる地位を築き上げ、政財界にも多大な影響力を持つ名門の一つとして、その名を広く知られた。

ウィリアム・ロックウェル

ロックウェル財閥の創設者にして、現在もその頂点に君臨する男。
一代にして現在の富を築きあげた豪腕ぶりもさることながら、その厳格な人柄から年老いた現在でも周囲から怖れられている。
彼が財を成した背景には、何か重大な秘密があるらしいのだが、その真相を知るものは誰一人いない。

リチャード・オズモンドの回想日記

運命は確かに存在すると知ることになったあの日。

火事の連絡を受けた私は
父から送られてきた小さな鍵を使って懐かしい故郷の家に来ていた。
案内してくれた景観の話では、父は火事以来行方不明ということだった。

焼け落ちた家の中を調べるうち、父の部屋に焼けずに残った柱時計を見つける。
針は動いてなかったが、う焼け跡に落ちていたネジで命を吹き込むと
その向こうに地下へと続く階段が姿を現わした。

階段で拾った父の赤い日記帳。
赤い日記が見せた不思議な情景。
それらが示す事柄の意味。
その時の私には全てが謎に包まれていた。

地下室には一枚の絵画がおいてあった。
描かれた絵に従って部屋の仕掛けを解いた瞬間、奇妙な感覚に囚われ
いつの間にか自分が見知らぬ船に立っていることに気づいた。

狂った運命の支配する、あの呪われた船に。

船での第一日目

沈没したはずの客船オルフェウス号。
出迎えてくれた船の船長とおぼしき人物は
実態のない黒い影だけの存在だった。

少女の魔物に襲われながら船を探索する私の目の前に、
やはり幾つかの影だけの存在が姿を現す。
それらは自らの過去に囚われ、死してなお船上をさまよう人々の落とす暗い影だった。
ある者は恐怖に、ある者は恋人への悔恨の念に。

私はそれらの一人が暗い海図室の中で闇を恐れ、光を求めているのを見た。

船具倉庫の工具。過去の世界で手に入れた手袋。
失われた配線の代わりに針金を使って
なんとか明かりを灯すことに成功し、黒い影を開放した私は
この船が呪われた悲劇の船であることを知る。

船長の影にこの船を救ってほしいと頼まれた私は手に入れた下層への鍵を使い、
多くの悲しい過去が持つ船底へと向かった。